仮面ライダーセイバーアンチ寄りの男がVシネ『深罪の三重奏』を見て感じた既視感

先に断っておくと、私は『仮面ライダーセイバー』に対してはほぼアンチ寄りの姿勢である。

 

私は作品のシナリオには「前振り」を要求してしまうタイプである。今後の展開、例えば仲間割れなどが待ち受けるならば、その予兆をシナリオ内に予め仕込んでいてほしいのだ。それも「分かりやすいフラグ」レベルでなくとも、「後から思い出して”アレそういうことか”と納得出来る」程度には欲しい。セイバーに関していえば、この「前振り」が圧倒的に足りなかった。

 

まず序盤の仲間割れ展開。サーベラ・神代玲花が劇中でソードオブロゴスの剣士と始めてコンタクトを取ったと思ったら、数十秒後には全員セイバー・神山飛羽真への疑心を抱いている、人心掌握でもされたかのような身の変わり様には困惑した。Twitterでは「よくよく考えたらソードオブロゴスの剣士ならば妥当の反応」と言う人もいたが、だとしたら剣士達の心の声の描写などで、その心情の変遷をもっと分かりやすくしてほしかったものである。

 

終盤のサーベラにいきなりブラコン属性が付いたのも、「前振り」不足から来る不満だった。ギャグキャラ化する元敵キャラなら神だのヒゲだの1000%だの前例は山程あるが、彼らはそもそも面白キャラの片鱗が見えていた(顔芸・ホテル・永遠の24歳)のであまり違和感が無かった。ずっとマスターロゴスの前で膝を突いているくらいなら、その合間に兄の顔を見て笑みを零すシーンを写しても良かったと思う。

 

他にも「ジャンプすれば手が届きそうな距離に浮かぶルナに手を伸ばすだけの飛羽真」だの「詳細設定が公式ブログで語られるだけ」だの突っ込みたい点は多々あるが、これ以上怨嗟を連ねても誰の得にもならないのでここまでにする。

 

 

 

 

とにかく、セイバーアンチに近い私であるが、それでも仮面ライダーが好きなことには変わりない。Vシネなら話も違って見えるかもしれないと、試験が終わった直後に、Vシネセイバー『深罪の三重奏(トリオ)』を鑑賞した。

 

結果抱いた感想が一つある。

 

 

 

 

 

「これ『岸辺露伴』じゃね???」

 

 

 

 

 

 

高橋一生のドラマ版でしか知らないしジョジョに関しては一切知らないけどこれ『岸辺露伴』じゃね???

 

身近な人々が段々消えていってるってそれ『岸辺露伴』じゃね????

 

怪異に関わる味の濃いバイプレイヤーがゲストに出てるけどそれ『岸辺露伴』じゃね?????

 

怪異に関わる妖艶な女性のゲストってそれ『岸辺露伴』じゃね??????

 

新アイテムがセイレーンって神話関係だけどそれ『岸辺露伴』じゃね???????

 

アメイジングセイレーンの能力の一つが犠牲者ゾンビの召喚だけどその絵面『岸辺露伴』じゃね????????

 

他の能力が他人の記憶を本状にした閲覧だったけどそれ『岸辺露伴』じゃね?????????

 

頁抜き取ったら記憶消えるってそれ『岸辺露伴』じゃね??????????

 

そもそも漫画と小説の違いはあれど主人公どっちも本出してるしヒロインはどっちも編集者だしもはやほぼ『岸辺露伴』じゃね???????????

 

 

 

まあほぼ箇条書きマジックだし、そもそも仮面ライダーからライダー要素を抜けば怪異系ホラーの話になるのも止むなしなのだが、だとしても公開時期が近すぎてダブりにダブってしょうがなかった。

 

何はともあれ、Vシネ本編は面白かったし、まあ、良いでしょう。